ガイガーカウンターをお持ちの方より、興味深い測定データが得られたとの連絡を頂きましたのでご報告します(記事にする事に対して了解をいただいております)。
この年末年始は海外に出ていましたが、その時の飛行機の中での計測結果です。私の機種ТЕРРА-П(TERRA-P)は一定の値を超えた放射線を検知すると警告音が出てますが、10km程度の高度を飛んでいるときは常時警告音が鳴る状態になります。およそ平地の日常値の20倍程度の 1~2 μSv/h という値が出ていました。参考までにその時の画像(1.56、1.81、1.75、1.65 μSv/h を表示している)を添付します。上空へ行くほど放射線が強いということは知られているところですが、こうして実測データを目にすると改めて実感することができます。![]()
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では飛行機に乗ることで、実際にどのくらいの放射線を浴びていることになるのでしょうか。
例えば東京-ニューヨーク間を飛行するとします。ご提供いただいた数値(1.8 μSv/h とします)が計測されたと仮定して、飛行時間は片道およそ半日ですので往復すると、
1.8 μSv/h × 12時間 × 2回= 43.2 μSv
これをそのまま年間の値に換算すると1回 の往復で
43.2 μSv × 0.001 = 0.0432 mSv
さらに、年間100回同区間を往復すれば
0.0432 mSv × 100回 = 4.32 mSv
となります。(マイクロシーベルトとミリシーベルト間の換算についてはこちらを参照)
私たちが自然界から受ける年間の自然放射線量は世界平均で 2.4 mSv ですので、比較してどの程度の放射線量かおわかり頂けるかと思います。
しかし、この値がただちに人体に影響を与えるほどのものかという点でみるとどうでしょうか。

【画像出典:東北電力 - 日常生活と放射線】
地上でも自然放射線の高い場所があります。ブラジルのガラパリでは年間 10 mSv の放射線を浴びることになります。
また、医療関係では・胸部レントゲン 0.6 mSv/回・CTスキャン 6.9 mSv/回という放射線を浴びている計算になります。
原発震災などで急性の放射線を被曝した場合でも、250 mSv 以下までは臨床的症状はほとんど無い、とのデータもあります(表1)。
表1 放射線による急性の影響(全身照射)
γ線被曝線量(mSv) |
症状 |
250 以下 |
ほとんど臨床的症状無し |
500 |
白血球(リンパ球)一時減少 |
1000 |
吐気、嘔吐、全身倦怠リンパ球著しく減少 |
1500 |
50%の人に放射線宿酔 |
3000 |
5%の人が死亡(骨髄障害) |
4000 |
30日間に50%の人が死亡 |
6000 |
14日間に90%の人が死亡(中枢神経障害) |
7000 |
100%の人が死亡 |
これらの情報を勘案すれば、たとえ東京-NY間を100回往復したとしても、人体に影響を与える程のものではないのではないかと考えられます(医療の専門家でもない一般人ですのでこれ以上の言及は避けますが)。
しかし確かなことは上空、特に高高度を飛ぶ国際線の航空機内では地上よりもより多くの放射線を浴びることになる、という事実です。放射線に対する知識の一つとして参考になればと思います。
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今回、情報提供していただいたことにより、いろいろと調べる機会をいただきました。提供者にはこの場にて改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
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【放射線測定器とメーカー】
ECOTEST社 (ウクライナ) - TERRA-P
http://www.ecotest.ua/terra-p/index.php?lang=en
QUARTA社 (ロシア) - RADEX RD1503
http://www.quarta-rad.ru/en/products.php?id=1
株式会社堀場製作所 (日本) - 環境放射線モニタ PA-1000 Radi(ラディ)
http://www.horiba.com/jp/scientific/products-jp/scintillation-detectors/details/pa-1000-3124/
【参考】
あとみん-原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト- - 身のまわりの放射線
http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/radiation/radiation/index.html
あとみん-放射線と人体
http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/radiation/jintai/index.html
東北電力 - 日常生活で受ける放射線
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/shiryo/wastes/10.html
理科年表オフィシャルサイト - FAQ/生物部/宇宙放射線
http://www.rikanenpyo.jp/FAQ/seibutsu/faq_sei_003.html
放射線被曝者医療国際協力推進協議会 - 放射線の基礎知識
http://www.hicare.jp/09/hi04.html
北里大学病院 - 放射線部/医療の中の放射線基礎知識
http://www.khp.kitasato-u.ac.jp/hoshasen/iryo/index.html
【関連記事】
本北便り - 日本の原子力発電所一覧
本北便り - マイクロシーベルトとミリシーベルトの換算式
本北便り - グレイとシーベルトの違い


こんにちは.大変参考になる記事をありがとうございます.飛行機のなかはまさに非日常という感じがしますね.
こんにちは、記事がお役に立てたようで良かったです。特に高高度を飛行する国際線は多く浴びてしまいます。知らないよりは知っていた方が、その後の放射線へ対する意識も変わってくるでしょうね。