日本の原子力発電所一覧にあるリンク先には、放射線のリアルタイム測定値が掲載されているページもあります。測定値の単位には、nGy/h(ナノグレイ毎時)が使われています。
しかしガイガーカウンターで計測される値は、μSv/h(マイクロシーベルト毎時)です。
ガイガーカウンターを持っている場合、計測して見慣れている単位に変換した方が、どのくらいの値なのかわかりやすいです。
というわけでその変換方法について書いてみます。
1 Gy/h = 0.8 Sv/h
という換算式があります。
【参照】
JNFL環境モニタリング 解説
http://www.jnfl.co.jp/monitoring/kaisetsu/spatial-nGyh.html
実際の値を μSv/h に変換する前に、参照先ページにある用例が、上の式を使ってどのように算出されているかを計算してみます。
【用例1】 20 nGy/「バックグラウンド」で1年暮らすと
20 nGy/h = 20 X 0.8 nSv/h = 16 nSv/h
・nSv/h を mSv/h に換算します。
(nSv/h → μSv/h → mSv/h と2段階で計算した方がわかりやすいかも)
16 nSv/h × 0.001 × 0.001 = 0.000016 mSv/h
・1年間の値を求めるため24時間と365日を掛けます。
0.000016 mSv/h × 24 × 365 = 0.14016 mSv ≒ 0.14 mSv
【用例2】 100 nGy/h で10時間滞在すると
100 nGy = 100 × 0.8 nSv/h = 80 nSv/h
・nSv/h を mSv/h に換算します。
80 nSv/h × 0.001 × 0.001 = 0.00008 mSv/h
・10時間の値を求めるため10時間を掛けます。
0.00008 mSv/h × 10 = 0.0008 mSv
上記の用例を踏まえて実際の値を μSv/h に換算してみます。
まずはリアルタイムの放射線量を確認します。場所はどこでもいいのですが、私の住んでいる青森県を見てみます。
青森県環境放射線モニタリングシステム
http://gensiryoku.pref.aomori.lg.jp/atom/index.html
青森市の値が 30 nGy/h だったとして、上記の計算方法で換算します。
30 nGy/h = 30 × 0.8 nSv/h = 24.0 nSv/h
24.0 nSv/h × 0.001 = 0.024 μSv/h
という値になりました。
ちなみに浜岡原発周辺はもっと高い値が計測されます。
浜岡原子力発電所 - モニタリングステーション
http://www.chuden.co.jp/hamaokastate1/RealMonitorStation.html
グレイは「放射線が"もの"に当たった時にどのくらいのエネルギーを与えたのかを表す単位」、シーベルトは「放射線が"人間"にどのような影響を与えるのかを評価するための単位」で、どちらも放射線の量を表すのに用いられます。
別な言い方をすればグレイは「放射線を受ける側からみた量」、シーベルトは「放射線を受ける側に及ぼす健康影響の度合い」と考えることもできます。
人体が放射線を浴びた場合の影響は、その放射線の種類によっても違ってきます。
それを考慮したのが次の式です。
Sv = 放射線荷重係数(表1) × Gy
表1 放射線の種類
放射線の種類 |
透過能力 |
荷重係数 |
α アルファ線 |
紙1枚程度で遮蔽できる |
20 |
β ベータ線 |
厚さ数mmのアルミニウム板で防ぐことができる |
1 |
γ ガンマ線 |
透過力が強く、コンクリートであれば50cm、 鉛であっても10cmの厚みが必要になる |
1 |
n 中性子線 |
最も透過力が強く、水やコンクリートの厚い壁に含まれる 水素原子によってはじめて遮断できる |
5~20 |
冒頭に紹介した式には、放射線加重係数が考慮されていないようですので、人体への影響を考えるときは、こちらの荷重係数も参考にしてください。
【参考】
Wikipedia - 放射線
http://ja.wikipedia.org/wiki/放射線
Wikipedia - シーベルト
http://ja.wikipedia.org/wiki/シーベルト
| ウクライナ製 ガイガーカウンター |
ロシア製 ガイガーカウンター |
日本製 シンチレーション式 |
|
|
【毎秒測定】【1年保証】【正規代理店】ガイガーカウンター 放射能測定器(SW83A ホットスポッ... |
|||
【放射線測定器とメーカー】
ECOTEST社 (ウクライナ) - TERRA-P
http://www.ecotest.ua/terra-p/index.php?lang=en
QUARTA社 (ロシア) - RADEX RD1503
http://www.quarta-rad.ru/en/products.php?id=1
株式会社堀場製作所 (日本) - 環境放射線モニタ PA-1000 Radi(ラディ)
http://www.horiba.com/jp/scientific/products-jp/scintillation-detectors/details/pa-1000-3124/
【関連記事】
現在の東京での放射線量を教えてください - ニュース・時事問題 - 教えて!goo
本北便り - 日本の原子力発電所一覧
本北便り - マイクロシーベルトとミリシーベルト
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今報道されている値の単位がごちゃごちゃで自分で精査したくなり、調べてみると
福島原発は地震前から急に測定単位が変わっていたため、比較が出来ず困っておりましたが
こちらのサイトで計算することが出来ました。ありがとうございました。
測定機器をもっていない場合は報道機関の発表が唯一の頼りになりますが、数値の大小、単位の違いに惑わされないよう注意が必要です。初めてこの問題に触れる多くの人は混乱するでしょう。わざとわかりにくくしている、のかもしれません。自身で精査するのはとても賢明なことと思います。記事がお役にたてて何よりです。
Gy判らず探してこちらにたどり着きました。
単位の件、勝手に私のブログに引用させていただきました。
不都合なら削除しますのでご連絡お願いいたします。
それにしても、テレビを見ていてもちっとも判りません。
情報操作デモしているのかな?と、ふと思ってしまいます。
記事の引用は自由です。多くの人に知ってもらった方がいい情報だと思いますので、むしろ拡散して頂き感謝しています。疑問に思ったことは確かな情報・資料を基に自身で調べるのが一番です。
東京文京区在住です
ガイガーカウンターの中国製のものを入手した(携帯)のですが、数値が新聞やネットに公表しているものよりだいぶ高く出ます。
0.2uSvなど。説明書も中国語でよくわからなくて困っています。
これは精度が危ないのか、うちの部屋が危ないのか・・・どうなんでしょうか。精度などについて知っていたら教えていただけるとありがたいです。
お持ちの測定器の精度が問題なのか、本当に東京の値がそうなのか、今の情報だけでは判断できません。どの測定器にも有効測定範囲がありますが、説明書にそれらしい記述はないでしょうか?そういう部分は数字と単位で記されていると思うので、他が中国語でも判別できるかもしれません。もし有効測定範囲が 0.2μSv/h〜 だったらその測定結果でも不思議はありません。
できれば違う機種の測定器複数でもって判断するのが一番ですが...。複数の機種においてそれぞれの有効測定範囲内で同じ測定結果だったなら、その値は信用できるものだと考えられます。
参考までに記事の最後にリンクしてある測定器の有効測定範囲はそれぞれ、TERRA-P 0.1〜999.9μSv/h、RADEX RD1503 0.05〜9.99μSv/h、Radi PA-1000 0.001~9.999μSv/h となっています。